99年7月

kuma-pote2005-12-07

7年過ごした東京から大阪に戻り、連ちゃんを迎えつつも通院生活などを
していた頃。仕事中の母から電話がかかってきました。
「青い小鳥が職場に飛んできたから見に来て欲しい。」
何の事やらよく分からないまま職場に行くと、まだ幼いセキセイインコが。
風切り羽が切られているのを見ると、どこかで飼われていたコなのかな?
職場には鳥小屋があるけど、そこに放り込む訳にもいかず
近くの病院で菌や虫がいないか診てもらい、一旦我が家に連れて帰りました。
体重27g。セキセイのヒナにしては頼りない数字。
病気持ちではなかったけど、もしかしたら相当弱っているのかも...
心配しながら翌朝を迎え、そのコはいきなり33gになっておりました(^^;
何日か食べていなかったのかもしれない。
飛べなくする為に一部の飼い主が切るという風切羽。
ただ、このコは均等に切られていた為に僅かながら飛べる状態でした。


母がこのコを随分気に入ってしまったものの、うちにはすでに2羽インコがいて
(しかも強力な破壊力を持つボタンインコ;)
更にどこかで探している飼い主がいるかもしれないので、交番などで情報を待ちました。
一週間程たった頃、ぼんやりとうちのコになるのかなぁ...という思いが湧き
そして名前をつけた時に、このコをしっかり育てようと強く心に決めました。
...とはいえ、研究室の先生が拾ったので「けんちゃん」なんて安易な名前をつけ、
後にタマゴを産んで女の子と分かり、「けんこちゃん」に改名(苦笑)。


セキセイの女の子らしくマイペースで、お喋りはしなかったけど
私の笑い声だけは取得?して、お笑い番組を見ながらいつも一緒に笑ってました。
笑いにはシビアで、たまに笑ってくれなかったけど;
セキセイ特有のピョロ〜っとした鳴き声は連ちゃんにも伝染。
けんこちゃんのカゴの上に連ちゃん。その隣には由ちゃん。
部屋にインコが3羽。鳥カゴも3つあるのが当たり前だと思ってました。


今朝の8:30になっても電話はなく一安心。
それから家を出て病院に到着すると、先生が慌ててドアを開けてくれました。
さっきまでご飯を食べてたけんこちゃんが
私の車の音が聞こえた瞬間に容態が急変したとの事。
ぱたんと倒れ、あっという間に空へ飛んでいってしまいました。
クールで私の事なんか何とも思ってないような毎日だったくせに
まるで私を待っていたかのような別れにただ驚きました。
でも、せめて最後は手の中で逝かせてあげたかったなぁ...。
亡くなってすぐに抱かせてもらったけど、凄く軽くなっていました。
あれが魂の重さだったのかな。どんどん冷たくなって、羽のツヤも消えていって、
先生も泣きながら汚れたけんこちゃんの身体を洗って綺麗に拭き、
ガーゼでくるみ、最後に小さな花を置いて私の腕に返してくれました。


けんこちゃんと出会った場所で眠らせてあげようと思い、母の職場に
電話してお昼から行ってきました。
母が用意してくれた場所には綺麗な花が敷かれていました。
そこにけんこちゃんを寝かせ、母が書いた手紙、
大好きだったリンゴと、ブランコの鈴を頭の上に置いて、
ヘルニアになってからは禁止していたカナリーシードをまいてお別れ。
術後の姿が痛々しかったけど、もう綺麗なお腹になってるよね。
飛ぶというより走るコだったので、向こうでは走り回っているかもね。


...めちゃくちゃ辛いです。涙はいつになったら枯れるんだろう;
クールなけんこちゃんでこうなんだから、お互い溺愛している由ちゃんだと
どうなってしまうのか、母がえらく不安がっておりました;ははは...。
しばらくは思い出した事を書くかもしれないけど皆様お許しあれ。
あんまし泣いてるとさすがのけんこちゃんも落ち着かないだろうから、
程々に...でもしばらくカゴはそのままにさせておいてね。
ホントにありがとう。すっごい楽しかった。そしてごめん。
与えるよりも与えられてばっかりでした。
大好きな鈴を頭に乗せて、ゆっくり眠ってね。おやすみ。